もし、所有物件が事故物件になったら…!知っておくべき9つのこと

2016/06/15

もし、所有物件が事故物件になったら…!知っておくべき9つのこと

賃貸あれこれ

賃貸経営にはいろんなリスクやトラブルの種があるなぁ…。といつも思う、たのちん管理人なむ。

人が暮らす場所である賃貸住宅では「人が亡くなること」もままあります。

事故であったり、事件であったり…大家さんにとっては一大事です。どのような実態と対処方法があるのか考えてみます。

 

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事故・事件の発生リスク

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人は誰しもいずれ死にます

なむはサ高住の運営に関わったこともあるので、いくつかの悲しい出来事にも遭遇しました。

天寿をまっとうされる方、突然の発作などで急逝される方、事故にあわれる方、亡くなり方も様々です。

昨今、ほとんどの場合は病院、もしくは診療所や高齢者施設などで亡くなる、もしくは搬送されて死亡判定を受けますが、それでも10人にひとりくらいはご自宅で亡くなります。

 icon-caret-right 賃貸住宅は住まいですから、入居者の生活にいちばん密接している場所です。

  多くの場合の自宅は持ち家だと思いますが、賃貸住宅で人が死ぬことはない、とは言い切れません。

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*参考:平成24年版高齢社会白書 死亡場所の構成割合の推移(内閣府)

例えば、長くツラい闘病生活を経たけれどもう手の施しようがない、あとは自然に任せて最期を住み慣れた自宅で迎えたい(迎えさせたい)となった時に、その場所がたまたま賃貸住宅だった。

そうして家族に見守られながら亡くなったその部屋は、人が死んだ忌まわしき部屋、でしょうか?

賃貸住宅経営と、物件で起こる事故・事件によるリスクについて考えてみます。

 

事故物件とはなにか

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賃貸住宅経営でいう「事故物件」とは、いわゆる「心理的瑕疵物件」の中の一部です。

 

  • 心理的瑕疵物件:「室内で人が死んだ」「凄惨な事故や事件があった」「近隣に暴力団関係者が居住している」「嫌悪施設がある」など、人が主観的にいやだと思う瑕疵が含まれた物件
  • 事故物件:「火事や転落などの事故死があった」「不審死があった」「不審死ではないが発見までに時間を要した」「自殺事件があった」「他殺事件があった」など、死亡原因に事件性があり人が忌避する要因が含まれた物件

正直ここの判定はかなり微妙でケースバイケースなこともありますが、室内での自然死で早く見つかったような場合は事故物件には該当しないこともあります。

しかし上記のような場合でも、心理的瑕疵物件だと感じる人がいないとも言い切れないので、告知はするという大家さんもいますし、事故物件ではないので告知しないという大家さんもいます。

難しいです。

 

 icon-hand-o-up 事故物件情報サイトとして有名な「大島てる」というサイトをご存知でしょうか?

サイトにアクセスして地域を選ぶと、事故物件が地図上にずらずら~っとマッピングされて出てきます。

物件をクリックしてみると、いつ頃どんな事故事件が起こったか、などの情報が見られるようになっています。

情報元は独自取材や利用者からの投稿など、とのことですので真偽は判定できませんが、なむが知っている物件は掲載されていませんでした(大家さんにとっては心臓に悪いですね…)。

 icon-angle-right たまにそれは事故物件にいれちゃう?

  少し酷だなぁ…(>_<)

と思う記述のある物件もあったりします…。

 

事故物件の発生確率(なむの個人的な実感値)

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事故物件というと、凄惨な首つり自殺現場や孤独死の腐乱死体などの派手(言い方が不謹慎ですね(>_<))なものを想像されるかもしれません。

そういう室内で起こる事故は、なむの印象的には0.01%くらいの発生率な気がします。

 icon-angle-double-right 年間通して1万戸に1件くらい発生するかな…?

くらいの印象です。

物件のエリアや入居者層、その他要件などによっても変わるかもしれませんし、きちんとした参考データがないので大うそかもしれません。

単なるなむの印象です

それよりもよく聞くな~と思うのは、飛び降りなどの共用部での事故ですね…。

  室内の3~4倍は多い印象です。

これもちゃんとしたデータあるわけじゃないです。

たまたまなむが知ってる情報だとそんな印象。というだけです。

孤独死の場合も、どうしようもない感じで見つかるのは高齢者というよりも、割と若い方が多い印象です。高齢の独り暮らしの方は、ひきこもる方も確かに男性などでは多いですが、割と社会と接点を持っていたりします。

  町内会に入っていたりすると、ひとり暮らしを知っている人が増えますので、民生委員さんなどが定期的に訪ねてきたりします。

  お年寄りは新聞を取っている人も多いので、ポストに新聞が溜まれば隣近所がおかしいと気付きます。

  お体が悪くて介護サービスを受けていれば、必ず誰かが定期的に接触します。

  ひとりで暮らしている高齢者の方はお仕事をされている方も結構いて、出勤してこなくなったら会社が気づきます。

ですから、もし室内で亡くなっていたとしても発見が早いです。社会と接点のある入居者の場合、遅くても1週間以内には見つかる気がします。

  逆に、隣に誰が住んでいるかもわからず、生活音もせず、新聞も取らず、仕事もせず、町内会にも参加せず、人間関係が希薄だと…発見が遅れます。

滞納が発生してくれればまだ、誰かが気がつく可能性もありますが…。それでも現実的に本腰入れて督促を始めるのが2~3か月後だったりすると、もう、手遅れです。

これもなむのこれまでの印象でしかないので、実際のデータとは異なるかもしれません。

もちろん、今後急速に単身高齢者世帯が増加していきますから総数として増えていくことになるだろうとは思うのですが、現時点で、高齢者の独り暮らしだから発生率が高い、という印象はそこまで持っていません(なむは)。

  ただひとつ言えることはコミュニティへの参画は、大事です。

 

統計データで見てみる

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なむの主観ばっかりでしゃべっても仕方がないので、データも見てみます。

データの参照先様へリンクを張らせていただいています。

詳細はリンク先の各サイトでご確認ください。

 

1.孤独死

まず,全国で起きている孤独死の近似数(相似数)ですが,厚労省「人口動態統計」の死因統計の死因カテゴリーに,「立会者のいない死亡」というものがあります。死亡時に立会者がおらず,死因を特定できない者です。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html
2013年のデータで見ると,同年中の当該カテゴリーの死亡者は2371人となっています。同年10月時点の総人口(1億2730万人)で除すと,人口100万人あたり18.6人という出現率です。この2371人の性別・年齢別内訳をグラフにすると,下図のようになります(年齢不詳は除く)。

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*引用:孤独死の統計(データえっせい)

あ。

なむの印象と全然違いますねw

当たり前ですけどやっぱり高齢者が多いですね。

この統計からさらに「賃貸住宅に住んでいる人」「大変な遺体で見つかる人」でセグメントすると、なむの印象と近づくかも…?

なんて。不謹慎ですね。すみません。

 

2.自殺

平成22年における場所別の自殺の状況について、自殺統計によれば、「自宅」1万7,533人(55.3%)が最も多く、次いで、「乗物」3,031人(9.6%)、「海(湖)・河川」1,727人(5.4%)、「高層ビル」1,555人(4.9%)、「山」1,206人(3.8%)、の順となっている。

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*引用:場所別の自殺の状況(自殺対策)

自殺をする方は、半分以上がご自宅だそうです。1万7,533人(55.3%)

日本の借家率は大体35%ですから、平成22年はざっくり1万7,533人×35%で6,137戸くらい、賃貸住宅の事故物件が生まれていることになります。

平成25年の賃貸住宅入居戸数は1,845万戸、6,137戸自殺が起きたと仮定すると0.033%。

だいたい3,000戸に1戸くらい発生しているイメージになります。

 

事故が起こった時にかかる費用

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自然死や病死が原因で部屋で亡くなられた場合、発見が早ければ原状回復にかかる費用は通常とそう変わりません。

 icon-caret-right しかし問題は、自殺の場合や亡くなってから発見まで時間がかかった場合です。

正直なむはその手の現場の場数を踏んでいるわけではないので、その時間が1日なのか3日なのか、1週間なのか、1ヶ月なのか、正直わかりません。

夏場なのか、冬場なのか、乾燥しているのか、湿度が高いのか、暖房が入っていたのか、布団の中なのか、床なのか、トイレなのか、浴室なのか、太っていた方なのか、痩せていた方なのか…

状況によって形状もさまざまらしいです。

ただし通常の状態ではない形で発見に至った場合、やはり原状回復にはかなりのお金がかかります。

ケースバイケースです。

  普通の清掃業者やリフォーム屋さんは仕事を受けてくれませんので、専門の業者さんに頼むことになります。

いわゆる「特殊清掃」を請け負ってくれる会社さんを探します。

事件、事故、自殺等の変死現場や孤独死により遺体の発見が遅れ、腐敗や腐乱によりダメージを受けた室内の原状回復を行ってくれる会社さんです。

料金は作業内容によって幅広いようですが、数万円~数十万円、躯体まで被害が及んでいたなど場合によっては100万円以上の費用がかかります。

ここについてはなむは実務に関わった経験がありません。

何とも言いようがありませんが、実際の現場で闘っておられる方のブログは心にきます。

 icon-angle-right 現実は金勘定なんですが…。

  このブログを読むと、泣けてきます。

  人が生きる、活きる、生活するってなんだろうと、考えたりします。

  人ひとりの人生が、その場所で、輝きもすれば、淀みもすれば、憤りもすれば、瞬きもすれば、なくなりもする。

が、

しかし、

賃貸経営は事業ですから金勘定もしなくてはいけませんね。

感傷に浸っていては前に進めません。

本来であれば、入居者の遺族・保証人が原状回復して大家さんに返すものなのでしょうが…実際どうなんでしょうね?

大家さんが管理会社経由ででも、自前で手配することの方が多いように感じます。そうなると、かかった費用はまず大家さんが持たざるを得ないですよね。

そして、なんとかしてかかった原状回復費用を回収しなくてはなりません。
そう思いますが、現実そんなこと大家さんが遺族や保証人に直接請求できるんでしょうか…?

悲しみに打ちひしがれている遺族にお金の話…しにくいですよね(T_T)

自殺の場合は入居者の善管注意義務違反が認められますので、判例としては原状回復費用や家賃減額による損害について連帯保証人に請求が認められています。

しかし、現実にそれが回収できるかというと、おそらく亡くなった入居者に多くの財産はないでしょうから連帯保証人の資力に頼らざるを得ません。

判決をとれば、連帯保証人の預貯金や給与収入、不動産などの資産の差し押さえも可能ですが…。

取りっぱぐれる可能性も高そうです。

現実的には、滞納分の回収に保証会社を使ったり、原状回復費用の回収に保険を使う、ということが無難なのかもしれません。

 

孤独死保険(家主費用特約)を活用する

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昨今の独居高齢者の増加傾向を受け、孤独死や孤立死に備える大家さん向けの保険商品が増えてきています。

遺品を引き取ってくれたり、片付けてくれたりする遺族や保証人がいればいいですが、いないケースも想定されます。

そういう場合のリスクはすべて大家さんが被ることになってしまいますので、以下のような費用に備える損害保険の活用を検討してもいいかもしれません。

  • 原状回復費用(清掃・リフォーム・遺品整理)
  • 空室補償
  • 下落した家賃の補てん

*大家さんのための家主費用保険

 

告知義務

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宅地建物取引業法47条1項では「故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」は禁止とされており「事故物件」の情報は告知事項です。

 icon-hand-o-up 物件資料や最近では入居募集ポータルサイトなどにも、「告知事項あり」と記載されています。

ネットなどでは、極端に安い物件は事故物件かも?!ちゃんと聞かないと危ない!

などと書かれていたりしますが、もし不動産屋が隠していたとしたら重大な告知義務違反で免許停止になりますから、黙って貸すなんて言うことはまずありえないと思います。

一般的には、自殺、殺人事件やその部屋からの転落死、腐乱死体で発見されたなどの場合は必ず告知されますが、火事でその部屋で亡くなっていない場合や自然死などの場合は該当しない場合もあります。

居室内ではなく共用部での自殺、飛び降りの場合なども、告知義務に当たらない場合があります。

告知期間についても、2年過ぎたらいい、または、入居者が一度入れ替わればいいという方もいますし、近所の風評がなくなるまでは告知する、事実は事実なのでずっと伝えるという方もいます。

これは難しいです。

 icon-caret-right 確定した決まったルールがあるわけではないのでケースバイケースです。

しかし、人道的に告知しておいた方がよい、と思うものはやはり告知すべきだと思います。

判例でも、事故から2年程度で告知義務なしとされたものもありますし、8年でも告知義務違反とされたものもあります

 

安けりゃ入るという現実もある

数年前、スーモに掲載された事故物件の入居募集広告が衝撃的すぎて話題になりました。

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*参考:家賃2.3万、ワケあり、オバケ付き! 大手スーモ掲載「事故物件」がヤバすぎる

なむは部屋の窓から墓地が見えるだけでなんとなく後ろが気になる感じで、あまりこういうのは得意ではないのですが、世の中には全然気にならない方もいらっしゃいます。

昔は、事故物件の紹介なんて不動産屋の窓口でヒアリングを受けてから裏からこっそり出てくる物件だと思っていましたが、今ではネットで普通に募集されています

さすがに、オバQの画像を載せている猛者はそうそういませんが、「告知事項有」などのキーワードで検索すると、結構出てきます。

 icon-hand-o-up そして、事故物件としての相場に合っていれば、大体決まります

家賃さえ間違っていなければ、借り手がつかないなんてことはないんですよね…。

個人的には無理なんですが、現実はそういうもんです。

事故物件にも相場があるみたいで…

実際は違うかもしれませんが、自然死の場合は約10%引き、自殺の場合は約20~40%引き、他殺の場合は40~60%引きなんていう数字もまことしやかに聞かれます。

真偽は定かではないですよ。

 

ヒトは死ぬもの

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人はいつか死にます。

いつ、どこで、どうやって亡くなるかなんて、わかりません。

たまたま賃貸住宅の一室だということも、あります。

住宅を取り扱う以上、人の生き死を完全に避けて通ることは、できません。

起こる可能性はある、と踏まえたうえで、自分では対処しきれないと思えばリスクに対する備えをしておけばいいのではないでしょうか。

 

リスクNo.11 金利上昇のリスク

 

-No.10事故発生リスク
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