知ってますか?建物の老朽化が引き起こすリスクと回避方法BEST3

2016/06/15

知ってますか?建物の老朽化が引き起こすリスクと回避方法BEST3

賃貸あれこれ

賃貸経営にはいろんなリスクやトラブルの種があるなぁ…。といつも思う、たのちん管理人なむ。

どんなに強固なRCだろうと、建物は経年とともに必ず劣化していきます。老朽化によって起こるトラブルは大きな賠償責任を伴うこともままあります。

回避するためにはどんなことに気をつけておけばいいか、考えます。

 

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建物の老朽化に伴うリスク

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 icon-check 2015年2月、東京都新宿区にある築40年の9階建て雑居ビルの7階付近で外壁のタイルが縦75cm、横20cmにわたって剥がれ、約20m下の歩道に落下する事故がありました。

幸いケガ人は出なかったようですが、通行人まであと1mほどの至近距離に落下したそうです。

  さらに時期を同じくして、札幌市内のビルの外壁に30年前に設置された縦横各約30センチ、長さ約150センチ、重さ約25キロの金属製看板の一部が約15m下の歩道に落下し、直撃を受けた女性が意識不明の重体となる事故がありました。

これらの事故は自分には関係のない、対岸の火事でしょうか。

ここまで大きな落下片でなくても、例えば、外壁タイル1枚、ボルト1本などの小片であっても、10m15mの高さから落下すれば大変な凶器になります。

老朽化の進行した建物から生じた事故によって、第三者や周辺の動産・建築物に被害が発生した場合、オーナーは損害賠償責任を負う可能性があります。

 icon-caret-right しかも、この場合のオーナーの責任は無過失責任ですから、いくら事故防止のための措置を尽くしていたといっても免責されません。

  メンテナンスが不十分で欠陥があるのに放置されていたなど、落ち度が大きい場合は業務上過失致死傷などの刑事罰が科される可能性もあります。

被害はそれだけにとどまらず、安全を軽視したという評価がなされることによる信頼の毀損や事故を起こしたことによる資産価値の減少など、さまざまな副次的な影響を受けます。

*賃貸経営の必要経費とは!経費倒れにならないための3つの注意点

事故などの決定的な事件が起こらなくても、老朽化した建物は魅力に欠けますから空室も増えます。家賃も下がり、決めるためには広告費やADなどたくさんの経費がかかるのに、物件の資産価値は下落しつづけます。

そのような老朽化リスクを回避するための有効な手立てについて考えていきます。

 

回避法その① 保全 ~ 建物の老朽化を防ぐ保守メンテナンスの重要性

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建物は竣工した瞬間から劣化が進み、性能が徐々に低下していきます。

長く安定した賃貸経営を営むためには、建物の魅力や機能を落とさないために「予防保全」としての継続的なメンテナンスが欠かせません。

実際に壊れているわけではなかったり、事故が起こっているわけではない段階で、予防のための費用を拠出することに抵抗を感じる賃貸オーナーさんは多いですが、建物は日々劣化していっていますので長く賃貸経営を行っていく以上、必ずどこかで修繕は必要になってきます。

  • 完全に壊れて事故が起こるギリギリまで引っ張って修繕するか?
  • メンテナンスが必要になる時期を見計らってあらかじめ少しずつ手を入れておくか?

は、大家さんのセンスと経営手法に依ることになります。

しかし、まだまだ使える機器や設備を「予防保全」だと言って取り替えてしまうのはもったいないです。

例えば、給湯器の耐用年数は10年程度と言われますが、使用環境などによって7~8年で壊れてしまうこともありますし、15年以上なんの問題もなく使えることもあります。

このように修繕が必要なタイミングを見極めるのは難しいですから、常日頃から定期的に点検を行って、劣化の進行状況を見ながら必要に応じて適切な修繕を行っていく必要があります。

 

  建物の保全のために行う保守メンテナンスは、大きく3つに分類できます。

1.日常の点検

巡回清掃や機器点検などで物件へ行くタイミングで、月に1回程度の「巡回点検」をします。

基本的には目視点検で行いますが、いつもと違う点があったり気になる部分は打診検査や動作確認なども行います。

日常的に点検を行うことで異常が発見しやすくなり、トラブルへの早期対応が可能になりますので、この巡回点検はすべてのメンテナンスの基本になります。

*日常巡回点検

2.定期的なメンテナンス

賃貸住宅で行わなければいけない点検や作業には、法律で行うことが定められている「法定点検」と、必要に応じて任意で行う「メンテナンス業務」があります。

最低限必要な法定点検さえしておけば賃貸経営はできますが、建物の老朽化を防ぎ長く安定的に賃貸経営を行っていくという観点でみれば、それ以外のメンテナンス業務が大事になります。

< 定期的なメンテナンス業務の例 >

法定点検 メンテナンス業務 
  • 特殊建築物等定期調査
  • 建築設備定期検査
  • 昇降機定期検査
  • 消防用設備等点検
  • 専用水道定期水質検査
  • 簡易専用水道管理状況検査
  • 浄化槽保守点検、清掃、定期検査
  • 自家用電気工作物定期点検
  • 共用部巡回清掃
  • 共用部床面機械清掃
  • 排水管・排水施設清掃
  • 緑地管理
  • ガラス清掃(両面)
  • 消火水槽清掃
  • 加湿用高置水槽清掃、水質検査
  • グリストラップ清掃
  • 汚水槽・雑排水槽清掃
  • 立体駐車場保守点検
  • 機械警備業務
  • 共用設備異常監視業務
  • 自動扉保守点検
  • シャッター保守点検
  • 防犯カメラ保守点検
  • その他

*法定点検

*メンテナンス業務

3.長期修繕計画と大規模修繕工事

常日頃のこまめなメンテナンスを行って建物の劣化を食い止めていても、築20年、30年と経てくると、抜本的な修繕工事が必要になってきます。

建物の規模や行う工事によって金額は大きく変わってきますが、少なくとも数百万円から数千万単位の修繕工事を行うことになります。

そのような大きな工事は、工事計画の策定や費用の算段、入居者さんへの告知なども必要ですから「今日決めて明日行う」というようなわけにはいきません。

そのためには、2度手間や余計な工事を行わないための「長期修繕計画」の策定と、それに沿った形での「大規模修繕工事」の実施が必要です。

 icon-caret-right 賃貸住宅のオーナーさんは長期修繕計画を立てておられないケースがすごく多いです。

  それどころか長期修繕計画という言葉すらご存じでない方も多いです。

分譲マンションのように利害関係者がたくさんいるわけではないですから、資金繰りの目安にするためにもおおよその修繕時期を計画書に落としておくとよいと思います。

*計画的な修繕をおこなうための長期修繕計画の策定:計画書&メンテナンスリスト付

*大規模修繕工事の基本的な手順と進め方の留意点

保守メンテナンスが物件の寿命を延ばす

全く同じプランで建築された物件であっても、「こまめに点検やメンテナンスを行っている建物」と「なにもせずに放っておいている建物」。

物件が築浅の時期には大きな差は感じませんが、築10年、15年と経ていく中で、状態にかなりの違いが出てきます。

 

常日頃からきちんと清掃をされていて、定期的に機械洗浄などで日頃の清掃だけじゃ取りきれない汚れをとり、植込みや樹木の剪定、草むしりもキチンとされていて、定期的な機械設備の稼働テストや点検も行い、鉄部のサビやペンキ剥がれのチェック、屋上やベランダの防水切れチェックなども欠かさず行って、もしなにか不備があっても早期に発見できるように体制を整えてある物件と、

何もしていない物件。

差が出ないわけがありません。

普段からきちんと管理しているかどうかで、建物の老朽化はかなり食い止めることが可能です。

 

回避法その② 改良 ~ 建物の価値を高める改良工事の考え方

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「回避法その①」で紹介した「保全」の方法は、あくまで建物の老朽化を「防ぐ」という防御の方法でした。

しかし、時の流れとともに老朽化していく建物をいつまでも「維持」していても、魅力的で最新の機能を備えた競合物件たちに勝てません。

老朽化リスクの回避という目的のためには、もう一点、「改良」という攻めの投資も考えていかなくてはいけません。

 icon-hand-o-up 「改良工事」とは、現在の居住水準に見合うように材料や設備を新しい種類のものに取替えたりして、建物の性能・機能をグレードアップさせる工事のことです。

共用部の照明器具を省エネ性能の高いLEDに変えてみたり、エントランスをデザインリフォームしてみたり、オートロックや防犯カメラ、防犯キーへ交換するなどセキュリティ性能を向上させたり、宅配ボックスなどの生活利便設備を設置したりすることもこの部類に入ります。

*性能のグレードアップを図る改良工事の重要性

 

「保全」と「改良」のバランスと、管理会社の使い方

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1.保全:資産価値を保つための投資(維持するための管理・修繕)

2.改良:資産価値を高めるための投資(高めるための工事)

大家さんの視点が保全に偏りすぎると、どうしても旧態依然とした古臭さがあるアカ抜けない物件のままになってしまいますし、逆に改良に偏りすぎると、配管など見えない部分の破損から大規模な漏水事故が起こったりします。

  賃貸経営にはどちらの視点も必要です。

大家さんは物件の状態を総合的に見て、優先順位をつけ効果的に投資するバランス感覚が求められます。

*建物の保全・維持のための修繕工事と、価値を高める改良工事

 

 icon-angle-right そうはいっても、そうは言うけどねw
  そんなん無理w
  管理会社に聞くw

とおっしゃる大家さんも多いのではないでしょうか…。

たぶん…

なむも自分で書いておきながら、ほとんどの大家さんできてないよねw
と思ってますから…(辛辣)

となると、やっぱりなんとか信頼できるプロの手を借りたいですよね。

 icon-angle-double-right ですけどね、大家さん…
  ここだけの話ですけど…
  プロだと思われる管理会社の社員でもわかってない人、多いですよ…。

それっぽいこと言って無知な大家さんだまくらかして、その工事よりこっちの方が優先順位高くね?ていう工事受注してくることも実際、あります。

 icon-caret-right でも、これは本当はだまくらかしているわけではないんです。
  担当者は本当に、真摯に、大家さんのためを思って提案しているんです。
  管理会社の社員、まじめな子多いです。

でないと、こんな毎日毎日文句言われて、クレーム処理ばっかりさせられる管理業界で毎日汗水たらせません(言い方悪いけど事実)。

  ただ、担当者の知識レベルがまだまだ業務レベルに追いついていなくて、提案の優先順位が間違っているだけなんです。

賃貸管理業界はまだまだ発展途上です。

賃貸管理業が「業」として、社会的地位の向上と業界ルールの統一を図り始めたのは2011年12月です。それまではずーーーっとただ言われたことだけやる、請負仕事だったんです。

管理会社の社員が育つのを待つより、大家さんが勉強した方が早いです。

大家さんが勉強していると、管理会社の担当者も焦りますから負けじと勉強します。

賃貸「経営」にとって重要な部分は自分でしっかり押さえておいて、それを「実行」するための知見と手段は管理会社に借りればいいです。

なんでもかんでも管理会社のせいにしては不憫です…。

大家さんは「経営者」ですからね。

 

回避法その③ 保険 ~ 予期せぬ事故に対応する保険の活用

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保全や改良、さまざまな予防策を打っていても、事故は絶対起こらないとは言えません。

外部要因によって起こる事故、防ぎようがない災害など、最終的なリスクヘッジは保険でカバーしておきましょう。

つい先日、火災保険の保険料率の変更があったばかりですね。
来年(2017年)地震保険の保険料も上がりますね。

保険に頼るような事案が増えているということです。
保険についてはなむはそこまで詳しくないですが、以下で少し触れたいと思います。

 

リスクNo.7 必要経費の肥大化リスク

 

-No.6老朽化リスク
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