データで見る!家賃滞納の実態と解消するための5つのキーワード

2016/06/15

データで見る!家賃滞納の実態と解消するための5つのキーワード

賃貸あれこれ

賃貸経営にはいろんなリスクやトラブルの種があるなぁ…。といつも思う、たのちん管理人なむ。

最近は保証会社の活用もかなり進んできて、滞納リスクもだいぶ緩和されてきたかな?と思うこともありますが、リプラスみたいなことがない…とも言い切れません。…よね?(弱気w)

滞納トラブルを早期に解消するにはどんなことに気をつけておいたらいいのでしょう。

 

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家賃の滞納はどのくらい発生しているのか、データでみる

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家賃を滞納する入居者がいると、

 icon-angle-right 来月はちゃんと払ってくれるのか…
  未納分はちゃんと回収できるのか…
  これからも住んでもらっていていいのか…
  できれば滞納グセのない違う方に住んでもらいたい…

…などなど、大家さんは心労が募りますよね。

ひどいケースになると、何年単位で数百万円にものぼる滞納を抱えたまま退去させることもできずにタダで住まわせ続けている大家さんもいます。

ボランティアであればいざ知らず、これでは…賃貸経営は成り立ちませんよね。

こじれると怖い滞納案件ではありますが、実際どのような頻度で発生しているものなのでしょう?

まずはデータで確認してみましょう。

tainouritu*参考:第14回賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』

このデータの調査対象は、日管協の協会員である「賃貸住宅管理会社」です。

管理会社による初期対応等がきちんと行われている、という前提で考えると、数字は低めに出ているということがあるかもしれません。

 

 icon-hand-o-up 滞納率のデータは3パターンです。

2

  

① 月初全体の滞納率 … 月末までに払う予定の家賃が月をまたいでも支払われていない

② 月末での1ヶ月滞納率 … 先月分未納のまま、今月分の期日が来てしまった

③ 月末での2ヶ月以上滞納率 … 2ヶ月分未納のまま、次の期日が来てしまった

グラフを見てみます。

全国的にみて、①の段階で家賃が未納になっている人は7.1%

振込をうっかり忘れてしまったり、残高不足で引き落としがうまくできなかった人も含まれているかもしれません。

100戸のマンションだと、大体毎月7件くらいこういう事例が発生する確率です。20戸だと1.4件ですから、隔月で1~2件は発生する、という感じでしょうか。

 icon-caret-right 結構頻繁ですね。

②の段階での滞納率は3.2%

大体55%減ですから、半分以上の方はうっかりミスだったか、なんとか都合をつけて遅れた家賃を1ヶ月以内に支払ってきています。

③も見てみましょう。

さらに深刻度が増す③「月末での2ヶ月以上滞納率」は1.5%

入居者は②の時点で自分が滞納していることは、確実に自覚しているはずです。

それなのに③になっても滞納を続けるのは…少しおかしいですね。

 

データを見て、「月末での2ヶ月以上滞納率は1.5%か…。そんなに多くないな」と思われたかもしれません。

しかし、100戸のマンションを所有していれば、恒常的に1~2件の長期滞納者に悩まされる件数ですし、20戸のマンションでも、3ヶ月に1回くらいは遭遇するような確率です。

  多いと思いますか?少ないと思いますか?

 

数が少ない・多いよりも危険度をみる

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②の時点を見てください。

期間的にみると1ヶ月間だけの未納に見えますが実際の未納金額は2ヶ月分です。

  見た目は1ヶ月だけ遅れたようにみえますが、実際は2ヶ月分の支払いが溜まっています。

  さらに③の時点では未納金額が3ヶ月分に膨らんでいます。

家賃5万円の部屋なら15万円、8万円の部屋なら24万円です。

いわゆる適正家賃と言われる月収の30%で部屋を借りていたら…3ヶ月分の未納だと給料の90%を家賃支払いに充てなくてはいけないことになります。

今日払え明日払えと督促したとしても、一括で支払うことはかなり難しくなると思われます。

データでは③以降、3ヶ月、4ヶ月といった滞納率のデータは出ていませんが、3ヶ月分滞納してしまった入居者が4か月分・5ヶ月分をまとめて支払える確率はさらに下がるはずで、時間が経てばたつほど収集がつかなくなっていってしまいます

 icon-hand-o-up ③の段階で回収を図るより、②の段階の方がまだ容易ですよね。同様に②よりも①の段階の方が容易です。

うっかり先に進んでしまう前に一歩でも二歩でも早く、滞納を解消するための手を打つ必要があります。

 

家賃滞納状態を解消するための5つの重要キーワード

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「家賃滞納をしている入居者がいる」ということは、現時点で売上に繋がっていないというリスクとともに、未納のまま長く住まわれてしまうという未来へ渡ってのリスクもはらんでいます。

そんな賃貸経営にとっての大きなリスクを解消するのに重要な5つのキーワードがあります。

 

キーワード1:督促

家賃滞納の督促には大きく3つの役割があります。

まずは、「入居者に滞納の事実を知らせる」ということ。

うっかりしていた場合はすぐに払っていただけるでしょうし、あとから「知りませんでした、聞いてませんでした」と言わせないためです。

そして、「家賃滞納している理由や今の状況を把握する」こと。

どうして滞納の状態になっているのか、その状態の深刻度や難易度がわからないと、対策の打ちようがなくズルズルと時間だけが過ぎてしまうことになりかねません。

最後に「最悪の事態も想定して証拠を固める」ことです。

家賃の支払いをしてもらわないと困る、という意思表示をキチンとしておかないと、悪質な滞納者へ逃げ道を作ってしまうことになります。

  電話・手紙・訪問・内容証明郵便などあらゆる手法を使って、早め早めに行動を起こすことが大事です。

憤りや理不尽さを感じることもあるかもしれませんが、自力救済はしない方がいいでしょう。

 

キーワード2:保証

もし家賃の滞納が発生した場合に回収の精度を高めるのが、保証です。

  賃貸住宅の家賃債務に対するリスクは、「連帯保証人」をつけるか「保証会社」と契約することで補てんします。

一昔前までは、賃貸借契約時には連帯保証人をふたり求められることもよくありました。

しかし、借主と同等の責任を負うことになる連帯保証人へのなり手は少なく、基本的には親族に頼むしかないのですが、頼みにくい事情があったり、親族が年金生活者など収入面で債務を引き受けられないと判断されると、連帯保証人が立てられないようなケースも増えてきました。

また、連帯保証人が家賃債務を速やかに支払ってくれればいいのですが、そうもいかないケースも多くあるため、最近では保証会社を活用してリスクヘッジをするのが主流になっています。

 

キーワード3:相談

滞納している家賃の督促や回収、そして契約不履行で賃貸借契約の解除や強制執行などを行う場合には、大家さんひとりの力で解決するのは難しい面があります。

賃貸人・賃借人双方とも感情的になってしまいがちですし、法律などの専門的な知識や経験も必要です。

もし滞納がかさんでしまって退去に至ることになったとしても、縁あって住んでいただいた入居者と泥沼の論争をして回収すらできず遺恨だけが残るようなことが目的ではないはずで、キチンと未納分の家賃を払って速やかに退去いただければそれでいいわけですから、ロジカルな対応は信頼できる第三者に任せる方が得策です。

  まず頼るべきなのは、物件の管理を任せている「管理会社」ですね。

  そして管理会社の手に負えなくなってきたら「司法書士」さんや「弁護士」さんに相談していくことになります。

*相談

 

キーワード4:裁判

任意の督促や話し合いを進めても解決に至らない場合、法的措置に踏み切らなくてはなりません。

ここまでの滞納督促の活動で、内容証明郵便で支払いの催促や賃貸借契約の解除の通知は行ってきているはずなので、これ以上引っ張っても不良入居者を長く入居させるだけでいいことになりません。

信頼関係の修復もおそらく不可能ですから、躊躇せず速やかに事を運びます。

  行うかどうか検討しなくてはならない裁判は、「滞納している家賃を回収するための訴訟」「賃貸借契約の解除と明け渡しを求める訴訟」です。

回収だけを行う場合もありますが、多くの場合は両方とも行うことになるのではないでしょうか。

判決が出たことで滞納家賃の回収のめどがついたり、明け渡しに至ればいいのですが、もしそうならなかった場合は「強制執行」の手続きを踏むことになります。

*裁判

 

キーワード5:退去

  長期滞納や再三の督促を無視するなどの悪質な滞納でなくても、ちょこちょこ遅れる、家賃の支払いが過大そうだと感じるのなら、「任意退去」をすすめることもひとつの手かもしれません。

昔に比べると大家さんと入居者の関係も希薄になっていますし、管理会社も動きたがらないのでなかなか難しいとは思いますが、保証会社への加入なども視野にいれて将来の不安の芽はできるだけつぶしておいた方がいいです。

  家賃滞納で退去に至るパターンはあと、「強制退去」「夜逃げ」がありますね。

強制退去は時間とお金はかかるにしても手続きに則って履行しますからきっちり片が付きますが、夜逃げはツラいですね…。

自力救済はできません。

*退去

 

滞納は何を差し置いても放置がいちばんダメ

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滞納の督促や処理はイヤな仕事です。

金払え金払え、と夜討ち朝駆け(今は極端にはできなくなりましたけれど…)で、電話したり手紙を出したり訪問したり…。

ややこしい手続きや貸主に不利と思える賃貸借契約、長引く滞納期間にかさむ費用…。

ご自身で滞納の督促をしたことがある大家さんは「何でこんなことしなくちゃならないんだ…!」と憤りしか感じない作業ではないでしょうか。

滞納は起きないことがいちばんですが、入居審査を厳しくしすぎると入居率自体に影響が出るし、審査時の優良入居者が滞納しないとも限らないので難しいところです。

リスクヘッジとして保証会社の活用が現時点ではベターだと思いますが、保証人がいるのに保証会社にお金を払わなくてはいけないことに嫌悪感を感じる入居者もいます。

もし滞納が起こってしまった場合には初動がとても大事になりますが、管理会社に任せっきりで滞納が起こっていることすら数ヶ月後に知る大家さんがいることも問題です。

家賃の滞納をお知らせせずに放置しているとだんだん入居者は「あれ?払わなくても大丈夫なんだな?」という気持ちになってきてしまいます。

  入居者が家賃を払ってないことに慣れる前に、キチンと対応しなければなりません。

そのためのアンテナを大家さんはしっかり張っておきましょう。

 

リスクNo.3 家賃収入の下落リスク

 

-No.2家賃滞納リスク
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