知ってる人は回避でき知らない人は損をする!賃貸経営12+αのリスク
2016/04/21
賃貸住宅経営をされている方なら常識かもしれませんが、大家さんをやっていると日々たくさんの課題にぶつかります。
たのちん管理人なむは、仕事柄多くのトラブル事例をみてきました。
そのたびに「ココって結構ポイントだよなぁ…」とか「このこと知ってたらもっとよかったのにな…」と思うことが、ちょこちょこある気がします。
賃貸経営で起こりうるリスクについて考えてみます。
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Contents
たのちん管理人なむが想定する、賃貸経営12のリスク
最近また「相続税対策」と銘打った、アパート建設やマンション投資が盛んですね。
相続税の課税対象となるくらいの財産をお持ちの方は、少しでも多くの資産を次世代に引き継ぐためにも相続税の節税対策は必要です。
そこで大きく節税効果が見込め、てっとり早く俎上に上がってきやすいのが、アパートやマンションなど居住系の賃貸経営ですよね。
「賃貸経営」といえば、一棟もののアパートやマンションなど複数戸を賃貸するものが主流ですが、所有する一戸建てや区分所有のマンションの一室などを人に貸し出すような小規模なものも家賃をいただいて貸す以上、立派な賃貸経営です。
賃貸経営は「事業」ですから、収益を期待できると同時にリスクもあります。
「相続税の対策はバッチリだろう」「家賃が入ってくれば儲かるだろう」と、メリットばかりを見ていては片手落ちです。
発生しうるリスクをよく把握して、事が起きてから慌てないように対処法を考えておくことも大事です。
賃貸経営を行っていく上で、起こりうるリスクを12個(+いちばん大事な1個)あげてみました。
おおまかに上げていますので、細かくセグメントすればまだまだあると思います。
気がついたら追記していきますね。
もしくは教えてください。笑
リスクNo.1 空室リスク
まずまっ先に思い浮かぶのは空室のリスクです。
賃貸住宅は必ず入居者の入れ替わりがありますから、常に入居率が100%ということはありえません。
空室が増えるほど収入は減ります。
空室が増えてしまったり空室期間が長引くと見込んでいた収入が入らず、ローンの支払いに持ち出しが必要になるなど計画外の支出がでる可能性があります。
そして最悪の場合には、不動産を手放すことになります。
リスクNo.2 家賃滞納のリスク
入居も無事決まって一安心、と思っていたら忍び寄る家賃の滞納リスク。
いくら満室経営であっても、家賃を払ってくれない入居者がいたのでは空室と同じです。
しかも住んでいますから、次の入居者を募集できない分タチが悪いです。
保証人をつけていても保証会社をつけていても滞納は起こるときは起こります。金銭的な実害がなかったとしても心労が募りますので、迅速な解決を目指すことが大事です。
リスクNo.3 家賃収入の下落リスク
新築のときからボロボロになって取り壊すようになるまでの間、家賃が下がらないと思っている大家さんはさすがにいないと思います。
古くなってきたり、近隣物件との競争で家賃が下がってしまうのはどうしようもない面もあります。
しかし、当たり前のように3,000円、5,000円と家賃を下げていくのは直接的に賃貸経営を圧迫していきますし、危険です。
家賃下落は想定しつつも、できる限り下げないようにする工夫が必要です。
リスクNo.4 入居トラブルのリスク
入居中の賃貸住宅ではさまざまなトラブルが起こります。
鍵をなくした、水があふれた、エアコンが壊れた、キズがついているなどの、居室内で起こるトラブル。
また、廊下の電球が切れた、自転車がなくなった、ゴミ置き場がぐちゃぐちゃなどの、共用部でのトラブル。
そして、隣家がうるさい、ペットのふんが散乱している、不用品が放置されているなどのマナートラブルです。
これらへの対応は神経も使う大変な作業ですが、ここを怠ると空室率の上昇や家賃の下落、滞納などほかのリスクも誘発しますので適切な対応が必要です。
リスクNo.5 退去トラブルのリスク
退去トラブルは直接的にお金にまつわる紛争で、国民生活センターなどの外部機関に相談に行く借主も多くいるため公の課題としてよく取り上げられます。
トラブルの争点になるのは大きく2つ。
原状回復に係る「修繕費用の負担割合」と、それに伴う「敷金の返還」についてです。
言い方は悪いですが、退去をされた方とのトラブルを抱え続けても1円の収益も生み出しません。できるだけ速やかに解決して次の入居者のための準備をしたほうがいいでしょう。
リスクNo.6 建物の老朽化リスク
当たり前ですが、建物は経年とともに老朽化します。
新築から10年を超えてくると小さな設備からちょこちょこ壊れ始め、だんだんと大きな設備の修繕や建物本体のメンテナンスが必要になります。
そのときに必要な修繕費を見込んでいなかったりすると必要な修繕が行えず、入居率や家賃の低下につながり、ますます収益は低下し負のスパイラルに入ってしまいます。
すべてをピカピカに維持することは難しいですが、ポイントを押さえてできるだけ劣化を防ぐ修繕が必要になります。
リスクNo.7 必要経費の肥大化リスク
賃貸経営にはさまざまな経費がかかります。
前項の修繕費がいちばん大きくかかる費用ではありますが、毎月一定額を支払う管理料や水道光熱費などの費用と同様、キチンと計画に組み込んでおけばそう大きくぶれることはありません。
リスクとして認識しておいた方がよいのは、突発的もしくは想定以上に発生する退去時の室内リフォームや入居促進のための広告費、事故が起こってしまった時の費用などです。
リスクNo.8 管理・運営面のリスク
賃貸住宅の管理・運営に関するリスクは、上記リスクにすべて関連してくるくらい大きなものかもしれません。
賃貸住宅の管理・運営についての認識が甘いと、空室期間が延びたり家賃を下げざるを得なくなったり、入居者対応がルーズで未納が増えたりトラブルが大きくなったり、適切な時期に必要な修繕をおろそかにして無用のトラブルや余計な費用が発生する可能性が高まります。
大家さんの仕事、仲介屋さんの仕事、管理会社の仕事…ごちゃごちゃになっていませんか?
賃貸住宅経営においてやらなくてはいけない業務を整理しておきましょう。
リスクNo.9 地震や火災などの災害リスク
災害には台風や大雪などある程度前もって対策のとれるものもあれば、地震やゲリラ豪雨、火事など予測不可能なものもあります。どれもいざ起きてしまうと建物や入居者に与える被害は甚大で、修繕や賠償などで多額の金銭的負担が出てしまうことがあります。
それらのリスクに備えるには、保険の活用がとても有効です。
大家さんが入った方がいい保険、入居者さんに入ってもらわなくてはいけない保険、について考えます。
リスクNo.10 事故や事件の発生リスク
天災や火災などの物理的な被害のリスクと同様に大家さんにとって恐ろしいのは、物件内で起こる死傷事件や自殺(未遂も含む)または孤独死などの事故や事件です。
物理的な損傷がある場合もない場合もありますが、どちらにしても風評被害や入居率の低下、家賃の下落を免れません。
予測できるものではありませんが、可能な限りの予防策と早期対応できる体制を整えておくことはできるかもしれません。
リスクNo.11 金利上昇のリスク
今の日本は日銀によるマイナス金利が発動されるほどの低金利時代です。
低い金利で借りることができて賃貸経営には追い風ですが、それと同時に、いつかくるかもしれない金利の上昇も想定しておかなくてはなりません。
少しの金利の変動でキャッシュフローが怪しくなるようでは、経営ではなく博打です。
リスクNo.12 税金のリスク
賃貸経営と税金の関係は切っても切ることができません。
得られる収入に対する不動産所得税に住民税、保有するだけで固定資産税、相続を目的にする場合には贈与税や相続税、売買や組み替えも行いますから不動産取得税に消費税、登録免許税…場合によっては、法人税や個人事業税などなど…。
知らなかったから払えない、知らなかったからいっぱい払うことになってしまった、では何のための賃貸経営かわかりません。
税制は毎年改正され、そのたびに大家さんは大なり小なり影響を受けることになります。基本的な知識は備えておくべきです。
一番のリスクは「 知識不足 」
ここにあげた以外にも、不動産価格が下落して売却したいのに手仕舞えなかったり、他の金融商品と比べて換金性が悪いことによるリスクなんかもよく聞かれます。
最近では民泊の話題もホットですね。
ご自分でやっておられて旅館業法などに引っかかってくる場合もありますし、借り上げ会社が違反している場合もあります。
自宅を貸せば儲かるのか、という感覚で一般の方が参入してくるケースもよく聞かれます。
宅建業法も旅館業法も全く知らないシロウトさんが、自分が住む体で部屋を借り、民泊サイトに登録して転貸をしているケースも多々あるようです。そういう場合、おそらく納税もしてないでしょうね…。
無断民泊による近隣住民の皆さんからのクレームへの対処も問題ですが、誰が使用しているのかわからない状態で犯罪の現場になるなどの事件・事故が起こっては、大家さんはたまったもんではないですよね…。
賃貸住宅はヒトの暮らしの場ですから、その他の金融商品のように「買った・売った・儲けた」のように単純にいけないところが難しいところです。
しかし逆に言うと、ヒトの生活に密着し、街を造り、人を動かし、経済を支えている価値の高い仕事だとも思っています。
ここまで賃貸経営に関するさまざまな落とし穴やリスクについて考えてきましたが、たのちん管理人のなむが思う、賃貸オーナーさんの一番のリスクは「知識不足」です。
もう少し子細に言うと「知識が足りていないことに気がついていないこと」でしょうか。
賃貸住宅経営は、収益と同時にリスクも抱える事業であり、大家さんは経営者です。
知らなければ対処ができなかったり、必要以上の費用がかかったりすることがほとんどです。
管理会社やサブリース会社など協力してくれる事業者は、あくまで請負業者であってオーナー代行ではありません。
最終的な決断はすべて大家さんがしなくてはなりませんし、その決断のリスクを負うのも大家さんです。
賃貸経営を1から10まで親切に教えてくれる人はどこにもいません。
教えるヒマがあるんなら自分でやった方が儲かりますからね。
経営者は自ら情報を集めて、必要に応じて支援者を動かさなくてはいけません。
賃貸経営は思うよりもハードな商売です。
空室を埋めるためには広告も必要ですし案内も営業も必要です。
家賃を回収するための仕組みも必要ですし、滞納がおきたら督促しなくてはいけません。
水が漏れたら夜中であろうと駆けつけなくてはいけないですし、24時間365日仕事です。
国の施策で経営に影響もうけますし、事故や災害の被害もあり得ます。
時間も身体も有限ですから、すべてを大家さんひとりで賄うことはできません。
たくさんの業者さんや入居者に助けてもらいながら形にしていかなくてはなりません。
そのときに大事になるのは「知っているということ」。
知っていれば対処できることは多くあります。
知らなければ後手に回ってしまいます。
まず多くの大家さんに必要なことは、情報に対するアンテナをしっかり伸ばしておくことです。
それくらいならなんとかできそうな気がしませんか?
たのちんではそんな「賃貸経営に必要と思われる情報」を発信していこうと思っています。
発信しっぱなしもセツナイので、こんなんもあるよ、こういうのはどうよ?なんていう情報があればお寄せいただけましたら喜びます。
なむも、日々是勉強です。